ひとりぼっちの天才。
地球には何人の天才がいるのだろうか。
そもそも天才とは?
天才と認めるのは天才か?天才は何処からが天才なのだろうか。
それとも天才は天才がいなくなってから天才と呼ばれるのだろうか。
天才。それは天性の才能。生まれつき備わった優れた才能。
天才が認める天才。凡人が認める天才。
天才と認められた人は窮屈なものなのかもしれない。
Otogiの国にひとりぼっちの天才がいた。
ひとりぼっちの天才は誰もが認める天才。
国のものは彼を讃えた。
皆彼に注目を集める。
次第に彼は天才と言われる事に嫌気をさす。
自分の趣味で楽しんでいただけなのに、注目を浴び、期待され、時には罵倒され、次の作品を今か今かと待たれるのが疲れたのだ。
そんな彼の気持ちとは反対に国を挙げて皆は大騒ぎ。
次の彼の作品発表を楽しみに町は賑わい、お祭り騒ぎ。
次第に彼は家に引きこもり、外の世界を断ち切り、1人作品作りに没頭するようになった。
作品を発表するのもやめ、作っては破壊、作っては破壊を繰り返した。
自分の生きる時間全てを作品に注いだ。
今までの友達や家族との時間も捨て、酒に溺れ、ドラッグに溺れ、作品を作り破壊。
Otogiの国から彼の存在は消え始めた。
こうして彼はひとりぼっちの天才になった。
ひとりぼっちの天才は1つの作品を残し、灯を消した。
Otogiの国は天才を産み、天才を殺した。
ひとりぼっちは悪くない。T.O.Mはいつも此処に。