Masaki600轟音日記

[TheRoar][T.O.M][作曲][Masaki600]を記す場所。

酒酔いの世界。

「あのー、この電車ってここの駅に停まります

   か??」

と私は駅員室を覗き込みながら訪ねた。

 

駅員室はタバコの臭いが充満していた。

窓口には誰もいない。

「すみませーん。」

:どうしました??

奥の方から帽子を浅ーく被り、右手にスマホ左手にブラウニーを持った駅員が出てきた。

駅員は窓口の近くまで来て床に体育座りをした。

むしゃむしゃブラウニーを食べながら、スマホをいじりだした。

「あのー…。」

(なんやこいつ)

 

:はぁ、なんでしょう?

ブラウニーのカスを口に付けたままこちらを見上げた。

「あ、えーっとこの電車って新神元駅に停まり

   ますか??」

ブラウニーにを食べ終わった駅員は気怠そうに立ち上がり、スマホをいじりながら答えた。

駅員:あー、多分ねー、停まりますよ。

「え、、?」

駅員:うん、多分、いやー、どうだろ?いや、多分そうだ。 

「どっちですか?」

駅員:んー、、多分です。ていうかお客さん酒入ってます?

駅員:お客さん、ここ何処だか知ってますか? 

「雲神駅でしょ?」

駅員:あー、なるほど。やっぱりそうだ。

        お客さん、ここは偽物の世界なんですよ。

        お客さんはここが雲神駅って思ってても

        ここは僕の家なんです。

        だから僕はこうしてブラウニーを食べてる 

        んです。

「え?何言ってるの?」

駅員:お客さん、あまり目の前の事信じすぎない

        方がいいですよ。

        

        今見てる世界が貴方の生きている世界かど      

        うか分からないのです。

        目を閉じたら光は無くなりますよね?

        目を開けたら光は見えますね?

 

       でもそれは違うのです。

       目を閉じたら光が見え、目を開けたら光

       は消えるのです。

       だからね、新神元駅なぞありませんよ。

       新異世界へようこそ。

       ブラウニー、美味しいですよ。

 

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