[T.O.M] 第1章 Otogi2
Otogiとは酒が創る虚像の世界である。
トムが向かった先は、Otogi?天国?それとも僕らがまだ知らない新世界?
トムと出会った時、僕は犬が大の苦手だった。
(今思えばトムは犬じゃなかったのかもしれない。神様?)
犬というか全ての生き物が苦手だった。
今でも鳥、虫、小動物、爬虫類は苦手だ。
こんな感じだったから、もちろん散歩もご飯をあげる事も、撫でる事も僕はできなかった。
トムが家に来た時、興奮したトムが家の中を走り回って僕に飛びかかってきた。
あの時は死んだ、、と本気で思った。
僕の犬恐怖症が治ったのは突然の事だった。
その日トムはハウスに入ってて、僕は安心してトムの好きなカットチーズを投げ込んでた。
そしたら急にトムが飛び出してきたんだ。
ハウスに鍵がかかってなかった。
焦った僕は腰を抜かし倒れた所を、トムが上から覆い被さり顔を舐められた。
その時何故だかすっと緊張が解けた。
僕はトムを撫でた、温かくて優しかった。
凄く感動的な瞬間だったな。
命の温かさを知ったんだ。その日から僕は撫でる事も、ご飯をあげる事も、散歩に行く事も出来るようになった。
このお話はここからが始まりなんだ。
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